2010 年 45.2 巻 p. 30-38
ベトナムは1986年のドイモイ政策採用以降、社会主義市場経済の下に高い経済成長を続けてきている。経済成長がもたらす都市の拡大局面において、いかにうまく民間等の都市開発投資活動を呼び込み、それをうまく受け入れることで良好な都市を形成していくか、ということが今日のベトナムの都市計画の最も重要な役割である。本研究はこの役割を考える前提として、現在、都市の外縁部において行われている実際の都市開発と都市計画との関連について、4つの都市開発事例を採りあげ、これらの事例からその実態を把握・分析した。さらに、それに基づき上記役割の達成に向けた提言を行った。ここでなされた提言が、現在進行中の2009年6月29日に公布された新都市計画法施行に必要な諸規定の作成に貢献することが期待される。