都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
米国オハイオ州クリーブランドにおける二層のランドバンクの担う差押不動産対応、空き家・空き地対策の研究
藤井 康幸大方 潤一郎小泉 秀樹
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 49 巻 1 号 p. 101-112

詳細
抄録

ランドバンクは、人口減少都市において差押不動産、空き家・空き地問題に対処する公的な使命を担う組織である。クリーブランドには、市担当部局のプログラムとして1970年代からコミュニティベースで展開されてきたクリーブランド市ランドバンク(CCLB)と、州のランドバンク法に基づいて2009年に設立され、郡レベルで事業展開するカヤホガ郡ランドバンク(CCLRC)の二層のランドバンクが存在する。本研究では、CCLRC発足前と発足後の差押不動産問題対応、空き家・空き地対策について比較、分析し、CCLRCによる荒廃物件の迅速な建物解体と解体物件のCCLBへの移管、CCLRCによる政府機関や民間保有の建物付荒廃物件への対応、多様な修繕・再利用の取組、CCLB保有の空き地の利活用など、二層制のランドバンクのもたらしている効能を明らかにした。

著者関連情報
© 2014 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top