抄録
本研究は、大規模土地所有者の所有実態や土地活用に向けた意識を明らかにし、これにより、地方都市中心部における低未利用地の有効活用や集約化に向けた基礎的な知見を得ることを目的としている。福井市まちなか地区(630ha)において、まず、登記簿情報をデータベース化し土地所有の実態について分析し、低未利用地の分布の分析により、大規模土地所有者ごとの土地利用の実態を把握した。さらに、アンケート調査により土地所有者の土地活用や所有意識を把握した。この結果、大規模土地所有者は、低未利用地を多く持つが、一方で保有意識も強く、土地の流動化や低未利用地の集約に向けて重要な役割を担っていることを明らかにした。街区ごとの空地と大規模土地所有者の所有状況により、空地率が高く、大規模土地所有者が多く所有している街区については、合意形成を取りやすく、空地の集約など面的な事業展開の可能性の高いことを考察することができた。意識調査により、大規模土地所有者の方が、土地所有の負担感を感じていることや、土地の集約のため、交換や借地により協力してもいいという意見が約7割にのぼることが明らかとなった。