2014 年 49 巻 3 号 p. 573-578
本研究では,海外版旅行ガイドブック(lonely planet)と旅行口コミサイト(tripadvisor)を対象に,その言語内容を解析し,有用な計画情報を抽出する手法を示した.その結果,ガイドブックにおいては,宿泊施設紹介ページの影響が大きく,観光地へのアクセス情報が豊富である一方,形容詞は少ないことが示された.口コミにおいては,買物,食,アニメ・ゲーム関連語が多く,観光客がこれらの内容に対して関心を持っていることが示唆された.さらに,旅行ガイドブックと口コミの観光地ごとの傾向には類似性があることがわかった.観光地ごとにみてみると,"temple"はAsakusa,"maid"と"anime"はAkihabara,"tuna_auction"はGinza-Tsukijiといったように,各観光地のイメージの特徴を抽出することができた.また,Akihabaraに関しては,ガイドブックと口コミのプロットの間にやや距離があることから,ガイドブックに記載されている情報とは異なる特徴を観光客はイメージしているものと推察された.