都市計画論文集
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拠点と軸の組合せに着目した都市構造の数理最適化
鈴木 勉
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2018 年 53 巻 3 号 p. 1472-1477

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抄録
本研究では,p-median問題を拠点配置問題と見なし,これと上述の路線配置問題を組み合わせて,一定の予算制約のもとで拠点と軸(路線)の数と配置を同時に決定する最適都市構造問題が定式化できることを示し,数値例を通じてその解の特徴を拠点数,路線数や路線速度との関係から把握することを目的とする.その結果,総予算が多ければ多いほど,拠点数や路線数が多くなり,拠点は路線の交差するところに設けられるケースが多いが,拠点と路線は相互に影響を及ぼし合いながら,同じ拠点数でも路線の有無や形状によって様々な配置が現れること,高速の場合は少ない数の拠点から放射状の路線が構成される形状となるのに対して,低速の場合は拠点や路線の配置が偏ることのないように構成される傾向を持つこと,施設需要と域内移動需要とのバランスや,コストの重みのバランスにしたがって,拠点と軸の数の組合せが決まってくることなどが明らかとなった.
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© 2018 公益社団法人 日本都市計画学会
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