都市計画論文集
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インドネシア国におけるトランスマイグレーション・コミュニティの住環境適応過程
スマトラ島シティウン地区の事例
落合 知帆リセリ ラプラス レゼンデ岡崎 健二
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2018 年 53 巻 3 号 p. 365-371

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抄録
インドネシアにおけるトランスマイグレーションは、世界でも最も歴史があり、また最大規模の政府支援による移住政策として知られる。人口密集の軽減、貧困削減、生活レベルの向上、労働力の供給、森林開発への寄与等の成果が評価される一方で、森林破壊や入植者の貧困、住民と移住者間の紛争等が批判の基とされる。本研究の目的では、移住者の移住時から現在までの長期的な視点に立った移住者の生活実態や適応過程や現在の生活実態を、入植時から現在までの長期的な視点に立って把握明らかにすることである。調査地は中部ジャワのウォノギリ・ダム建設に伴い、1977年に移住民の受け入れ先となったスマトラ島シティウンとした。2015年から2017年にかけて現地調査を実施し、102世帯を対象にアンケート調査と実測調査の結果を分析した。移住当時の居住環境は決して恵まれていなかったが、基礎インフラの改善をコミィニティ活動によって成し遂げ、住宅の増改築や新築を行うなど、住環境が改善していることを明らかにした。
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© 2018 公益社団法人 日本都市計画学会
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