2018 年 53 巻 3 号 p. 597-602
本研究では,コストシェア型ライドシェアを想定し,スター型ネットワークにおいて,ライドシェアのマッチングがいかに成立するのか空間や時間の概念を明示的に組み込み解析的に考察した.モデル分析を通して得られた主たる結論は以下の2点である:第一に,中心に近いトリップほど,ライドシェアを享受できることをマッチング成立確率で示した.このことは,ライドシェアが拠点に近いほど有利なことを示しており,内発的なコンパクト化を誘導できることを意味する.第二に,中心地での乗り換え効果が大きいことを平均マッチング待ち回数の期待値を通して明らかにした.これは,乗り換えをライドシェアが拠点形成に寄与できることを客観的に示している.