抄録
モータリゼーションによって引き起こされた様々な問題の対策として,歩行促進への関心が高まっているが,この行動転換の促進は容易ではない.そこで本研究は,VRを用いて国内外の歩行空間に対して歩行ニーズに基づく歩行空間評価を行うことで,疑似体感型Walkability評価の特性を把握することを目的とする.まず,文献レビューから,歩行空間評価における視覚ツールの特徴の整理と,評価軸となる歩行ニーズの評価項目の整理を行う.次に,一般動画とVR動画の歩行ニーズ評価と行動意欲の評価を比較し,視覚ツールとしてのVR評価の特徴を把握する.最後に,VRを用いて国内外のより多様な歩行環境を比較し,歩行ニーズ評価と行動意欲の評価における意識構造を把握することで,VRに歩行促進の効果があるかを検証する.