2018 年 53 巻 3 号 p. 640-645
エビデンスによる政策立案の必要性が叫ばれる昨今,目標達成度指標(KPI)を可視化する必要性が高まってきている.データ可視化の手法の一つとしてレーダーチャートがある.レーダーチャートにはデータの比較のしやすさ,配置のしやすさなどの利点がある.しかし,評価軸の順番と,隣り合う評価軸間の相関によって面積が変動してしまうという特徴もあるため,視覚的な誤解を生みやすいという欠点もある.本研究では,レーダーチャートの面積の変動について,空間相関の視点から分析を行った.結果として,レーダーチャートは評価軸の順番などを恣意的に選択することによって事実と異なる印象を与え,論理誘導することが可能になることを理論的に確認した.