抄録
多摩ニュータウン開発は逼迫する東京圏の住宅需要に応え無秩序なスプロールの回避策として1966年12月に着工された。NTの性格は、当初東京都心に依存したベットタウン的性格もやむを得ずとしていたが、同時に30万人を抱える都市規模で都心直結の鉄道建設も併せ行なう新都市開発であることから逆輸送を促す施策の導入と周辺地域の雇用の場との連携による広域相互依存圏の樹立を目標としてきた。
本稿は、上記の視点に着目し開発理念の構築と再構築の過程を辿り、職住近接を促す (1) センター地区や特定業務施設地区等の寄与と (2) NT新線ルールの創設や都市インフラの高水準化等による支持人口の増加と施設立地等の「計画・事業手段 (Planning & Prolect Tool)」の生成過程とその背景を明らかにした。また、NT市民の日常的活動の変容過程から都心集中型ではなく相互依存型に移行しNTの自立化を促す芽が育まれつつある状況を把握し、計画・事業手段の生成並びにNT市民のライフスタイルや立地企業のビジネススタイルの変化との関係を明らかにした。