抄録
本論文では交通事故による人的費用を支払意思額に基づく統計的生命価値によって計測する方法を導入して、非死亡時の損傷度別の人的費用を計測した。具体的にはイギリスで開発されたSG (標準ギャンブル) 法とCV (仮想市場) 法を組み合わせた調査をアンケート方式で適用し、非死亡事故を含めた生命価値を計測した。その結果、死亡時の人的損失は中央値で2億6600万円と従来の8倍以上となることがわかり、非死亡時の人的損失についても死亡時との比率においても、従来の算定より高い値を示すことが明らかになった。ただし、被験者による変動は相当に大きく、属性の影響も統計的には明らかになっていない。今後、調査方法の改良とデータ集積が必要と言える。