Journal of Pesticide Science
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炭酸カルシウム・ナノ粒子は作物の栄養状態を改善し耐虫性を高める
Hua Kuo-HsunWang Hsiang-ChuanChung Ren-ShihHsu Ju-Chun
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論文ID: D15-025

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抄録
ナノ粒子やナノテクノロジーは、植物の栄養改善、植物保護、および病害虫駆除などにおいて、農業に応用されている。しかし、植物保護や植物栄養に関する炭酸カルシウム・ナノ粒子の研究例は多くない。本研究では、ナノ粒子およびコロイド状の炭酸カルシウムをタンカン (Citrus tankan) 葉にスプレーした場合の効果を比較した。その結果、ナノ粒子処理の方がタンカン葉のカルシウム含有量が増加した。また、野外試験におけるアカマルカイガラムシ (Aonidiella aurantii) とミカンコミバエ (Bactrocera dorsalis) の防除効果はナノ粒子の方が高く、ミカンコミバエのバイオアッセイではナノ粒子の方が低いLC50値を示した。さらに、ナノ粒子はインドナツメにおけるミカンコミバエの産卵穿刺に対してより高い防除効果を示した。カルシウム・ナノ粒子は施肥効果、作物保護効果、防除効果の点で全般的にコロイド状カルシウムよりよい結果をもたらした。
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© 2015 Pesticide Science Society of Japan
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