抄録
大気中に存在する農薬を効率的に分析するための捕集方法として, シリカゲルカラム (セップパック™カートリッジ) の適用性について, 空中散布農薬や使用量の多い38種類の農薬を対象に捕集率, 捕集操作時の安定性および回収率を検討した. その結果, シリカゲルカラムからの回収率はいずれの農薬も良好であった. 捕集操作時の安定性はジスルホトンとフェンチオンで悪く, これらの分解・減少は, 大気中の酸素によって酸化されたと推定された. しかし, その他の農薬の捕集操作時の安定性は良好であった. ジメトエート, ピペロホス, ブタミホスおよびホスメットの捕集率は低かったが, これらと前記2農薬以外の32農薬については実用上問題のない回収結果が得られた. また, シリカゲルカラム中での農薬の保存安定性は, エジフェンホス, シメトリン, ジメチルビンホス, テトラクロルビンホスおよびEPN等の一部の農薬に不安定なものがみられたので, 大気を吸引したシリカゲルカラムは, 抽出を行なうまでの間は-15℃以下で保存する必要が認められた.