日本公衆衛生雑誌
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公衆衛生活動報告
学生を対象とした臓器提供意思表示カードに関する教育効果の評価
中山 佳美太田 正樹一色 学森 満
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2002 年 49 巻 10 号 p. 1097-1106

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抄録
目的 学生を対象とした臓器提供意思表示カードに関する教育の効果を評価する研究を行った。
方法 平成12年に保健所医師が北見市内の学生を対象に臓器提供意思表示カードに関する教育を実施した。そして,前後比較デザインに基づいて,教育前後で意識,知識および行動に関する質問調査を実施し,その効果を評価した。調査の対象となった学生は548人で,看護系学生,大学生,福祉系学生の 3 群に分けて比較した。
結果 調査対象者のうちでの回答者数は,教育前は432人(78.8%),教育後は359人(65.5%)であった。
 1. カードの認知度は94.2%で 3 群間に有意差があり,看護系学生で認知している者が多かった(P<0.05)。
 2. カードの正しい知識については,どの群の学生も教育後の方が正しい知識を持つ者が増えた。
 3. カードの所持率は,教育前は看護系学生が高く,教育後は福祉系学生がカードを所持する者が有意に増加した(P<0.001)。
 4. カードを所持した理由は有意差があり,看護系学生で「関心があるから」,大学生で「よくわからないけど持っている」,福祉系学生で「他の人にすすめられたから」が多かった(P<0.01)。
 5. カードを所持する意思表示をしない理由は,教育後で看護系学生は「臓器を提供したくないから」,大学生や福祉系学生は「臓器を提供したくないから」や「関心がないから」が多かった。
結論 カードに関する教育は知識の啓発だけではなく行動の動機づけになることが示唆され,カードの普及啓発に役立つと考えられる。
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© 2002 日本公衆衛生学会
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