日本公衆衛生雑誌
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総説
遺伝子組換え食品の受容性と安全性評価の現状と動向
西浦 博今井 博久中尾 裕之月野 浩昌黒田 嘉紀加藤 貴彦
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2002 年 49 巻 11 号 p. 1135-1141

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抄録
 遺伝子組換え食品の受容性(パブリックアクセプタンス)および安全性評価を中心に現状と動向について概説した。遺伝子組換え食品(組換え DNA 技術応用食品・食品添加物)は栽培者や生産者に比較的周知されているが,消費者には依然として受容性に関する課題がある。私たちの調査では消費者において遺伝子組換え食品の潜在的な健康リスクに対する不安があることを認めた。多くの消費者は健康リスクについて曖昧な知識だけを有し,健康リスクが有るものと考えて遺伝子組換え食品に対して否定的態度を示した。マスメディアや専門誌には私的意見が多数掲載されているが,一方で毒性や健康に及ぼす影響に関する報告はほとんどなかった。この総説では安全性評価における国際機関の役割を要約し,最後にわが国の農業生産地でどのように遺伝子組換え農作物の利用が実施されているかを示し,消費者にとって直接的利点となる栄養素含量,機能性を改変した遺伝子組換え食品の開発の動向などについて考察した。
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© 2002 日本公衆衛生学会
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