日本公衆衛生雑誌
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原著
産後1か月前後の母親に対する看護職による家庭訪問の効果 母親の不安と育児に対する捉え方に焦点を当てて
都筑 千景金川 克子
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2002 年 49 巻 11 号 p. 1142-1151

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抄録
目的 都市部に居住する産後 1 か月前後の初産の母親に対する看護職による家庭訪問の効果について,母親の持つ不安と育児に対する捉え方に焦点を当て検討した。
方法 A 市に居住する平成10年 5 月~8 月に出生した子とその母親のうち,特に異常のない第 1 子とその母親324人を抽出し,介入群,非介入群の 2 群に割り付け,抽出直後(初回調査)およびその 2 か月後(2 回目調査)の時点に,抽出した子の母親に対して質問紙を郵送し回答を得た。通常実施されている新生児家庭訪問事業を従来どおり実施し,さらに追加した形で,本研究の介入に対し 2 回の調査の間に看護職による家庭訪問(訪問時の子の平均日齢42.2±9.7日)を実施した。調査終了後,有効回答が得られた対象者から新生児家庭訪問事業による家庭訪問を受けた者を分析対象から除外し,本研究での分析対象者は介入群64人(有効回答率48.9%),非介入群66人(66.0%)とした。
結果 初回調査項目すべてにおいて,両群の間に有意差はみられなかった。しかし,2 調査時点におけるスコアの差を従属変数,家庭訪問の有無を独立変数とした共分散分析の結果,家庭訪問を受けた母親は家庭訪問を受けていない母親よりも,不安の程度が有意に減少し(P=0.04),育児の楽しさが増加(P=0.02)していた。また家庭訪問を受けた母親の 9 割以上が,家庭訪問が自分にとって役に立ったと回答していた。
結論 産後 1 か月前後の時期における看護職による家庭訪問は,母親にとって有効な育児支援となることが示唆された。
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© 2002 日本公衆衛生学会
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