2002 年 49 巻 5 号 p. 399-408
目的 本研究は主に大学生を対象としたストレス・コーピング尺度(General Coping Questionnaire: GCQ)の特性版の作成とその信頼性,妥当性の検討を行うことを目的とした。
方法 調査Iから調査IVまで,それぞれ124人,784人,83人,83人の大学生が GCQ 特性版に回答した。質問紙は感情表出,情緒的サポート希求,認知的再解釈,問題解決の 4 下位尺度,5 件法からなるものだった。調査IVでは,妥当性の検証のために,GCQ 特性版に加えて仲間評定も行われた。
結果 調査Iでは54項目からなる GCQ 特性版第 1 版から,32項目が GCQ 特性版第 2 版として選定された。調査IIから調査IVでは,GCQ 特性版第 2 版の尺度の因子的妥当性,内的整合性,検査-再検査信頼性,構成概念妥当性(認知的再解釈をのぞく),得点分布の正規性の証拠がそれぞれ得られた。
結論 今後のストレス・コーピング研究を行うための,4 下位尺度からなる GCQ 特性版の標準化がほぼ完了した。