日本公衆衛生雑誌
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北海道大学医学部における喫煙実態調査
今井 必生紺野 圭太武蔵 学玉城 英彦
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2004 年 51 巻 7 号 p. 540-551

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抄録
目的 北海道大学医学部での喫煙対策を進めるにあたり,医学部構成員を対象とする喫煙に関する実態調査を行った。
方法 2003年 2 月,北海道大学医学部に所属する全教員,職員,学生(1,612人)を対象にアンケート調査を実施した。回収数は1,037人であった。各研究室,事務室,各学年に対してアンケート用紙を配布した。研究室・事務室に対しては,秘書または回収ボックスを通じ,学部生に対してはその場で,もしくは,回収ボックスを通じ回収した。質問項目は全員を対象としたものの他に喫煙状況に応じたものを設け,現在喫煙している者(喫煙者),かつて喫煙していたが現在はしていない者(禁煙者),喫煙していないもの(非喫煙者)の 3 者について,喫煙に関する意識の相違についても検討した。
結果および考察 今回の調査で本学医学部の喫煙状況が把握できた。1)本学医学部構成員の喫煙率は一般住民および医師一般よりも低い。2)喫煙者の多くはタバコへの依存度は低いと想像される。3)禁煙者については維持期に入っている者が 8 割,行動期の者が 2 割であった。一般化の可能性のあるデータおよび今後の喫煙対策のヒントとなる事実は以下のよう得られた。喫煙に関する意識については 1)喫煙者も非喫煙者も,能動喫煙よりも受動喫煙の健康影響を深刻に考える傾向がある。2)喫煙者は非喫煙者,禁煙者にくらべ,タバコのにおいの不快感を軽視する傾向にある。3) 3 者のいずれもが健康被害を認識しながら実際の喫煙対策推進には積極的ではない。4) 3 者のいずれもが一般的なものとしてのタバコのにおいを重く考えるものの,具体的な医学部内のタバコのにおいは軽視しがちであった。
結論 関心期にある喫煙者をどのように禁煙行動期に移行させるか,行動期の者をいかに多く維持期に移行させるかが課題である。われわれは本調査の結果に基づき,禁煙イベントや広報を実施した。今後はさらにこれらの情報を活用し,活動結果の評価や,現状の改善に向けた具体的な活動に結びつけていきたい。
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© 2004 日本公衆衛生学会
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