抄録
目的 本研究は,転倒予防活動プログラムに参加希望した高齢推進リーダーの特性について明らかにすることを目的としている。
方法 宮城県農村部の70歳~84歳の地域在宅高齢者の中で,転倒予防推進リーダーを希望した75人と希望しなかった一般高齢者1,428人を対象として転倒予防活動事業における高齢推進リーダー参加希望者の特性について検討した。分析では,推進リーダー希望者と一般高齢者の基本属性および身体・心理・社会的要因について記述した。推進リーダー活動への参加希望の関連要因についての分析にあたり,推測統計において有意な関連が認められた変数を説明変数,推進リーダー活動への参加希望の有無を従属変数とする,多重ロジスティック回帰分析を行った。
結果 その結果,男性,年齢が若い,就学年数が長い,外出頻度が多い,老研式活動能力指標(手段的自立,知的能動性)が高い,健康度自己評価が高い,日常生活動作に対する自己効力感が高い,生活体力得点が高い,QOL 尺度得点(生活活動力,健康満足感,人的サポート満足度,精神的健康,精神的活力)が高い,生きがい感得点が高いという特徴を,推進リーダー活動希望者が有していることが示された。これらの推進リーダー参加希望の有無に有意な関連があった変数を説明変数とする多重ロジスティック回帰分析の結果,推進リーダー活動への参加希望者の特徴は,男性であり(OR=0.25, 95%CI 0.14-0.44),70-74歳の前期高齢者(OR=0.43, 95%CI 0.25-0.73),知的能動性が高く(OR=2.72, 95%CI 1.65-4.48),健康満足感が高く(OR=1.45, 95%CI 1.02-2.07),生きがい感が高い(OR=1.06, 95%CI 1.01-1.13)等であることが示された。
結論 本研究における高齢推進リーダーは,高次の生活機能を有する者のみが担える役割であったといえる。