日本公衆衛生雑誌
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原著
在宅要介護高齢者の日常生活動作能力維持に有効な介護サービス利用とは Functional Independence Measure (FIM) を用いた縦断的調査
鈴木 育子柳 久子戸村 成男
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2007 年 54 巻 2 号 p. 81-88

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抄録
目的 介護保険制度下で提供される,在宅介護サービスを利用している在宅要介護高齢者の日常生活動作能力(ADL)を,Functional Independence Measure (FIM) を用いて縦断的に評価し,ADL の変化に関連のある要因を明らかにすることを目的とした。
方法 茨城県 K 医師会居宅介護支援事業所および介護サービス事業所の利用契約者で,調査の承諾を得られかつ調査が可能であった60人をベースライン調査の対象とし,その内54人が追跡可能であった。本人及び介護者に対して,訪問聞き取り調査をベースライン調査および追跡調査の 2 回実施した。調査内容は,身体情報(年齢・性別・疾患名など),介護情報(要介護度・障害老人自立度・在宅療養期間・介護者の有無など),介護サービス利用情報(在宅介護サービスの種類・頻度・内容など)である。評価尺度としては,機能的自立度評価(FIM),認知能力評価(Mini-Mental State Examination: MMSE),うつ評価(Geriatric Depression Scale: GDS-15)の日本語版を用いた。
成績 追跡調査(112±22.2日)の結果,追跡可能者の FIM 得点は83.6(±36.4)から81.7(±37.4)に有意に低下した。追跡可能であった54人の内 FIM 得点が維持・向上したのは39人で,低下したのは15人であった。FIM 得点の低下に関連する要因について,多変量ロジスティック回帰分析を行った結果,「在宅期間 1 年未満」,「介護サービス利用率」がそれぞれ独立して FIM 得点の低下と関連していた。
結論 在宅要介護高齢者が日常生活動作能力を向上または維持するためには,在宅療養の早期から必要な介護サービスを十分に活用することが重要であると示唆された。
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© 2007 日本公衆衛生学会
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