日本公衆衛生雑誌
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2015年都道府県別生命表における長野県男性の平均寿命全国2位後退に対する年齢別死亡率の影響について
小林 良清
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2018 年 65 巻 10 号 p. 615-620

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抄録

目的 2015年の都道府県別生命表において長野県男性の平均寿命が滋賀県男性の平均寿命に準じて全国2位に後退したが,20歳以上の平均余命がいずれも全国1位であることから,20歳未満の年齢層における死亡率が2位後退に大きく影響していると考え,既存の統計資料等を活用してその状況を明らかにする。

方法 政府統計から都道府県別生命表を入手し,長野県,滋賀県,全国における男性のそれぞれの年齢別死亡率を確認した。そして,平均寿命の計算式を作成し,仮の年齢別死亡率における長野県男性の平均寿命を試算した。さらに,長野県の衛生統計から男性の年齢階級別死因別死亡数を入手し,死因の状況を確認した。

結果 2015年長野県男性の年齢別死亡率は,9歳から13歳において2010年長野県男性の年齢別死亡率より2倍以上高く,9歳から14歳において2015年滋賀県男性の年齢別死亡率より2倍以上高くなっていた。そして,平均寿命の計算式を用い,9歳から13歳における2015年長野県男性の年齢別死亡率が2010年長野県男性の年齢別死亡率と同じだったと仮定して平均寿命を試算すると81.77885歳となり,2015年滋賀県男性で試算される平均寿命81.77882歳を上回った。また,9歳から14歳における2015年長野県男性の年齢別死亡率が2010年長野県男性の年齢別死亡率と同じだったと仮定すると,平均寿命が81.78154歳となった。10歳から14歳において2015年長野県男性の死亡数は,2010年長野県男性の死亡数に比べて2.4倍に増えており,死因別死亡数がわかっている2014年から2015年を2010年と比較すると,「傷病および死亡の外因」に含まれるもの,含まれないものがともに増えていた。

結論 平均寿命は,すべての年齢の死亡状況が反映された一つの数字であり,その値から課題を抽出するためには年齢に着目した分析が不可欠である。今回の分析により,2015年長野県男性の平均寿命が2015年滋賀県男性の平均寿命に準じて全国2位に後退したのは,10代前半の死亡数・率の増加が大きく影響していたものと推測された。

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