日本公衆衛生雑誌
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原著
小中学生における親子関係と自尊感情との関連:家庭の経済状況とヤングケアラーの視点から
山崎 貞一郎庄司 斉岩倉 正浩鄭 松伊野村 恭子
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2026 年 73 巻 5 号 p. 429-437

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抄録

目的 小中学生を対象に,家庭の経済状況やヤングケアラーかどうかを統計的に調整した上で,子ども自身が評価した親子関係が自尊感情と関連するかを検討した。

方法 2024年に由利本荘市内の小学5年生,中学2年生を対象に実施された質問票調査の回答データ893人分を用いた。曝露である「親子関係が良くない」は,6つの質問中1つ以上の質問で「やや当てはまらない/当てはまらない」と回答した場合と定義した。主要アウトカムの自尊感情は,東京都版自尊感情測定尺度の合計値(3~12)を用いた。家庭の経済状況に「余裕がない」は,家庭の暮らしぶりが「やや余裕がない/とても余裕がない」と回答した場合とした。ヤングケアラーは家族の世話をしており,かつ,それが生活に影響していると回答した子どもとした。線形回帰モデルを用い,自尊感情尺度の合計値を被説明変数,親子関係(参照:良い),家庭の経済状況(参照:余裕あり),ヤングケアラー(参照:非該当),その他の共変量を説明変数とし,偏回帰係数(各説明変数の参照群に対する自己肯定感尺度の合計値の差)の点推定値と95%信頼区間(CI)を推定した。

結果 対象者は,女性49%,小学5年生52%,ひとり親世帯17%,親子関係が良くない者23%,経済状況に余裕がない者10%,ヤングケアラー2%で,自尊感情尺度は中央値9.5点だった。基本特性を比較すると,親子関係が良くない者は良い者に比べ,女性・自覚的な健康状態が良くない者・経済状況に余裕がない者の割合がそれぞれ高く,相談できる人がいる者の割合が低い,という特徴があった。自尊感情尺度の合計値は,親子関係が良くないと-0.98点有意に低かった(95% CI; -1.19,-0.77)。また,経済状況に余裕がないと-0.21(95% CI; -0.50,0.09),ヤングケアラーに該当すると0.25(95% CI; -0.26,0.75)であった。

結論 以上から親子関係は,家庭の経済状況によらず,小中学生における自尊感情の発達における中核的な要因である可能性が示唆された。

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