日本公衆衛生雑誌
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総説
終末期がん患者の在宅緩和ケアの連携の質評価に関するスコーピングレビュー
吉田 美由紀藤村 一美塩見 美幸廣瀬 未央藤本 愛理西山 智子
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2026 年 73 巻 7 号 p. 591-603

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抄録

目的 終末期がん患者の在宅緩和ケアにおける多職種連携(以下,「連携」)に関する国内外の文献を統合的に分析し,今後の連携評価指標開発への示唆を得ることを目的とした。

方法 Medline,CINAHL,Cochrane Library,Web版医学中央雑誌を用いて,“終末期がん”“在宅”“緩和ケア”“連携”“指標”をキーワードに文献を検索した。検索で得られた文献は,「連携」の内容,成果,評価に関する記述に着目し精読した。記述内容は,Donabedianが提唱する医療の質評価の枠組みに基づき,【構造】(連携を生み出す人的,物理的,財政的な資源,公式・非公式の仕組みを含む医療提供体制に関する事柄),【過程】(連携の具体的な内容や手順),【結果】(連携の成果あるいは連携によって生じた変化)に分類し,内容を分析した。文献の検索式の決定から選定,分類,分析に至る全プロセスは,研究者間の協議を経て合意の上で実施した。

結果 検索の結果,Medline 16件,CINAHL 10件,Cochrane Library 0件,Web版医学中央雑誌133件の全159件が抽出され,このうち採択基準に基づき150件を除外した。検索で採択された9件に,ハンドサーチで入手した10件を加えた19件の文献を分析対象とした。対象文献は,2001~2020年に発表されたもので,国内文献13件,国外文献6件であった。研究内容は,「連携」に関する尺度開発研究5件,「連携」の指標を明らかにするための質的研究5件,「連携」強化の取り組みを評価した研究7件,「連携」ツールの導入を評価した研究2件であった。連携の質評価の側面として,【構造】ではケア体制,チームの関係性,情報共有,オペレーション,地域包括的連携体制,24時間薬剤供給,【過程】では連携過程の可視化,チームの方針統一,チームの信頼関係の形成,専門職の積極的な連携行動,教育的支援による連携強化,【結果】では患者,家族,多職種による主観的評価と,実績データに基づく客観的評価が明らかとなった。

結論 本研究で明らかとなった【構造】,【過程】,【結果】の指標は,連携を促進する評価指標開発の基盤となると考える。今後は,これらの指標の標準化と【結果】指標との関連性の検証を通じて,臨床現場での連携改善に資する評価ツールの開発が期待される。

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