Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
留出油処理時における水素化精製触媒の劣化について (第2報) ラマン分光分析による減圧軽油脱硫触媒上にたい積した炭素質の分析
雨宮 正臣光来 要三持田 勲
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2003 年 46 巻 2 号 p. 99-104

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抄録
約一年間, 減圧軽油 (VGO) を処理した商業装置の触媒床より深度別に採取した廃触媒の組成およびラマン分光分析を行った。触媒上にたい積した炭素質の量は触媒床下部ほど多かった。各位置の触媒のラマンスペクトルを比較したところ, 触媒床上部では触媒粒子内部ほどあるいは触媒床下部になるほど1600 cm-1および1350 cm-1のバンドがシャープになり, 炭化の進行が認められた。各触媒を500℃ 窒素気流下, 2時間焼成した前後のラマンスペクトルを比較したところ, 触媒床上部および中部触媒上の炭素質のバンドはシャープになるが, 触媒床下部の触媒上の炭素質のバンドは変化しなかった。上中部の触媒にたい積した炭素質は500℃ で炭化が進むことを示しており500℃ 以下での生成が示唆される。
つまり, 触媒層上部にたい積した炭素質はVGOに混入したアスファルテンが吸着し, 反応温度400℃ 近傍で縮合したと考えられる。触媒床下部触媒上にたい積した炭素質は, 水素化処理過程のVGO吸着物が反応熱によって温度上昇し500℃ 以上の高温となった触媒表面で炭化し, ある程度黒鉛化が進行したと推測できる。触媒上にたい積した炭素質の炭化度は触媒表面の熱履歴を反映しており, 炭化度を詳細に調査することによって発熱反応に伴う触媒表面の熱履歴を推定することが可能になるものと考えられる。
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© 2003 公益社団法人石油学会
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