抄録
本研究はスイスの国道でわだち掘れのひどい区間(G区間)とこれに隣接した縦き裂のひどい区間(H区間)の各4層系のアスファルト混合物の内部の骨材の動きが解析できる新しいホイールトラッキング試験機について述べている。この試験装置は北海道大学で開発されたものであり,これは現場の舗装内部の温度分布と同様な状態で実験できる。この装置は4層系の混合物の内部の骨材の2次元的な動きやひずみが車輪と直角方向の写真撮影により解析可能である。本装置は混合物の断面(幅20~24 cm)を鉛直方向に五つに分割し,載荷荷重の中心線上での表面や境界層での最大変形量や,表面の横方向の変形量,垂直方向に五つに分割された部分の面積の変化や骨材間の混合物の内部のひずみ分布が測定できる。
実験結果より荷重付近での混合物表面での流動や混合物の圧密現象がこの装置で観察された。また,実験中に混合物内部の2 mm以上のすべての骨材が垂直方向に移動していること,高温で600回の車両通過だけで表層内部に局部的に40%以上の大きなひずみが生じることを明らかにした。