Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
石油精製技術を変革するツールとしてのペトロリオミクスの展望
片野 恵太高橋 祐樹佐藤 浩一辻 浩二早坂 俊明中村 勉豊岡 義行稲村 和浩
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2020 年 63 巻 3 号 p. 133-140

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抄録

(一財)石油エネルギー技術センター(JPEC)は2011年度より「ペトロリオミクス」と称する新しい石油精製技術の体系化にチャレンジしている。当技術は,重質油成分を分子レベルで解析し反応モデル等を構築する究極の手法と言える。最初の5 年間で,フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FT-ICR MS)を用い重質油の構成分子として2500万のデータベースを揃え,残油直接脱硫(RDS)装置中での分子反応や重質油処理中のアスファルテン(AS)凝集析出予測モデルへの応用を提案してきた。最近では,これらを基盤技術として発展させ,非在来型原油を中心とした原油の分子レベルでのデータベース化,RDSと残油流動接触分解(RFCC)装置の最適効率運転を目指した分子反応モデリング,さらに残油アップグレーディング装置におけるAS 凝集析出予測など,実用レベルの技術への展開を図っている。

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© 2020 公益社団法人石油学会
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