Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
溶融LiCl–KClとCaH2還元剤を用いたNiZn金属間化合物ナノ粉末の低温合成
小林 靖和 , 宗宮 穣, 多田 昌平, 菊地 隆司
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2020 年 63 巻 6 号 p. 380-387

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抄録

近年,水素化プロセスにおいて,Pd系触媒に代わり,NiZn金属間化合物が注目されている。結晶性の良いNiZn金属間化合物の取得には,前駆体ZnOの難還元性のため,高温処理(500~750 ℃)が必要となる。しかしながら,高温処理を行ってもNiZn金属間化合物の単一相を得るのは困難であり,NiZnとNiが共存する結果を示す報告が多い。本研究では,より低温でNiZn金属間化合物の単一相を得ることを目的に,LiCl–KCl混合溶融塩中でCaH2還元剤を用いた合成手法を検討した。溶融塩中で合成するメリットは,難還元性酸化物の還元を阻害する酸素 · 水分がない最適な合成条件を生み出せることにある。得られた粉末のXRD測定の結果より,不純物相は観測されずNiZn金属間化合物の単一相のみが観測された。水素流通下あるいはアルゴン流通下の両合成条件において単一相のNiZnが得られたことから,CaH2が還元剤として作用していることが示唆された。算出した結晶子サイズは26.9 nm,BET表面積は6.6 m2/gであった。SEM観察から,ナノサイズの粒子の存在が明確に示された。EDSとXPS測定の結果より,サンプルに含まれるCaやLi,Kの割合は微々たるものであり,NH4Cl水溶液によるポスト洗浄処理によって不純物が適切に除去されることが示唆された。結論として,ZnOの熱力学的安定性のために通常の水素還元処理では不可能な360 ℃(LiCl–KCl溶融温度近傍)という低温条件下において,単一相のNiZn金属間化合物ナノ粒子を得ることに成功した。低温溶融塩中でCaH2が優れた還元剤として作用することが示された。

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© 2020 公益社団法人石油学会
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