Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文 −特集「熊本大会」−
Y2O3系触媒を用いた均一系塩基フリー条件下でのグルコースからの乳酸合成
畑 大地相原 健司三浦 大樹宍戸 哲也
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2021 年 64 巻 5 号 p. 280-292

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抄録

グルコースを触媒法により乳酸(LA: Lactic acid)に変換する方法が広く研究されている。ここでは,さまざまな金属酸化物を触媒として水酸化ナトリウムなどの均一系の塩基を添加しない条件でその触媒作用を検討した。検討した金属酸化物のうち,Y2O3は収率33 %で乳酸を与えた。このとき,トリオース(ジヒドロキシアセトンとグリセルアルデヒド)とフルクトースが副生成物として得られた。Y2O3/SiO2触媒は,グルコースからLAへの変換を効率的に進行させ,LA収率45 %を達成した。すなわち,Y2O3と比較してLA収率は顕著に向上した。構造解析の結果,触媒上には,Y(OH)3が高分散担持されており,担持されたY(OH)3は,ブレンステッド塩基として作用し,ピルブアルデヒド(PA)からのLAへの転換を効率的に促進することが分かった。また,Y(OH)3とSiO2の界面に存在するブレンステッド酸部位(水酸基)は,トリオースからの脱水反応によるPAの生成に関与していると考えられる。Y2O3/SiO2触媒では,酸点と塩基点が協奏的に機能することで,グルコースからLAへの多段階の反応を効率的に進行させたと考えられる。

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