日本調理科学会誌
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貯蔵期間の異なる手延そうめんの性状と構造観察
細田 捺希高山 裕貴赤田 樹青井 雄幹原 信岳吉村 美紀
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2019 年 52 巻 6 号 p. 386-394

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抄録

 貯蔵期間の異なる手延べそうめんの性状と構造に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。貯蔵期間0ヶ月,6ヶ月,12ヶ月,24ヶ月の試料を用いた。放射光X線マイクロCT観察の結果から,貯蔵期間の長い12ヶ月,24ヶ月貯蔵試料は,乾麺内部に大きな隙間構造と乾麺表面には線吸収係数の大きな構造物が多く観察された。示差走査熱量測定において,貯蔵期間が長くなると,第1吸熱ピーク及び第2吸熱ピークのピークが低温側と高温側に移動し,乾麺試料1 mgあたりのエンタルピーは増加する傾向がみられた。これにより小麦でんぷんの結晶性が増加し,でんぷんの糊化及びたんぱく質の変性が抑制されると推察した。

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© 2019 一般社団法人日本調理科学会
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