日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
鶏の摂食活動の動変に関する研究
II. 産卵鶏の摂食活動におよぼす飼料形状の影響
藤田 裕
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1973 年 10 巻 2 号 p. 47-55

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抄録
鶏の摂食活動の変動に関する研究の一環として, 摂食活動の日内変動におよぼす飼料の形状の影響を検討した。
白色レグホーン種産卵鶏8羽を人工照明 (午前5時より午後7時まで1日14時間) 下で個体別ケージに収容し, マッシュ, ペレットおよびクランブルの各形状を含む5種の形状の飼料を給与した。各飼料給与時についてそれぞれ摂食活動記録装置を用いて, 摂食量および摂食に費やされる時間の変化を連続的た測定し, 摂食活動の日内変動の様相を調べた。
1日の飼料摂取量は飼料の形状によってほとんど影響をうけなかったが, 摂食に費やされる時間は飼料の固型化によって明らかに減少した。
摂食活動はマッシュ給与時には照明時間内でほとんど連続的に行なわれるのに対し, ペレット給与時には著しく断続的となり, 短時間のついばみで相当量の飼料が摂取される。
通常の市販マッシュ給与時には飼料給与開始の当初に摂食活動が著しく活溌となることが特徴的に認められる。しかし, この一時的な摂食活動の高まりは, 飼料の粒度分布を均一にした微粉砕マッシュまたはペレット給与時には全く消失した。
一般に摂食活動は照明時間内に集中的に行なわれるが, 飼料の形状にかかわらず, 早朝の照明開始時から飼料の更新直前にかけて摂食活動が低下する傾向があり, また, ペレット給与時には, 照明時間帯の中期, 正午前後に摂食活動の低下する時間帯が認められた。
飼料の物理的形状, とくに粒度分布は摂食速度および摂食活動発現の時間間隔を規制する要因として意義が大きいものと考えられた。
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