抄録
この研究の目的は, 合衆国にて用いられている卵価予測モデルを日本の採卵産業に於ける長期卵価予測モデルとして評価する事であった。過去のデータは, 1965年より1970年までの6年間とし, 東京卸売卵価, ヒナ餌付羽数, 成鶏羽数, 廃鶏 (淘汰) 羽数, 産卵率が含まれる。さらに季節性要素, 需要情勢, 及び産卵量と卵価の予測値がこの卵価予測モデルに用いられる為に計算された。
1971年の東京卸売卵価を予測するに当り, 3つの予測方法が予測モデルの正確性をチェックする為に比較された。最初の方法は廃鶏羽数及びヒナ餌付羽数を予測するに当り, 実産卵量及び実卵価が用いられ, それ以外の要素は全て予測値が用いられた。第2の方法は, 実卵価は用いられているが, 産卵量及びその他の要素は, 予測値が用いられた。第3の方法は, 産卵量, 卵価共, 予測値によって計算された。この最後の方法が将来18ケ月間の卵価予測に当たり適用される。グラフによって3つの方法が比較され, 第3の方法は, 日本に於ける東京卵売卵価を予測するに当たり, 十分適用され得る。