日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
PCBの鶏卵への移行および産卵, ふ化におよぼす影響
斉藤 季彦, 合田 之久, 名倉 清一, 永田 信一, 渡辺 彬, 小林 秋男, 宮下 光男
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1976 年 13 巻 3 号 p. 86-92

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抄録
本試験は, PCBの鶏体内での動きを把握するため, 給与飼料中に0ppm, 10ppm, 20ppmのPCBを添加し, 6週間与えた場合の鶏卵への移行, 給与中止後6週末までの鶏卵から消失とその間の産卵成績などについて試験した。
その結果を要約すると, 下記のとおりである。
(1) PCBの鶏卵への移行は, 給与飼料中のPCB濃度と給与期間に比例して増加した。この関係は(2), (3)式のとおりである。なお, yは鶏卵中のPCB濃度 (ppm), tは給与期間(週)を示す。(6≧t≧1)
10ppm区は
y=2.2802+3.0376lnt……(2)
20ppm区は
y=4.5875+5.5998lnt……(3)
(2) PCB給与中止後の鶏卵からの消失過程は2期に分けられ, 給与中止後1週末まで (前期) の急速な減少とその後 (後期) の緩慢な減少を示し, この関係は2種類の指数曲線をあてはめて説明でき, 10, 20ppm区に共通の回帰係数を用いて表わすと(5'), (6')式のとおりである。なお, yは鶏卵中のPCB濃度(ppm), tは給与中止後の週数を示す。
10ppm区は
y=2.503e-2.573•t+5.343e-0.129•t……(5')
20ppm区は
y=5.218e-2.573•t+10.238e-0.129•t……(6')
(3) 飼料中に含まれるPCBの濃度が10および20ppm程度ならば, 鶏の生存には異状なく, 生存率は各区とも100%を示した。産卵率, 卵重, 飼料要求率, 体重などについては各区の間に大差はなかったがこれらについてはなお繰返し追試により結論をえたい。
(4) ふ化率については, PCB給与中止6週後の次の1週間にPCBを再投与し, その7日目と8日目の種卵を用いてふ化試験を実施した結果, 受精卵に対するふ化率は0ppm区の68.6%に対し, 10ppm区は42.3%, 20ppm区は23.3%と高濃度に添加したものほど悪く, その差は各区の間で有意であり, ふ化に対するPCBの悪影響を再確認した。
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