抄録
飼料1gあたり20~16,000μg力価のカナマイシンを含む飼料を, 4週齢の肉用種雄ヒナに4週間与え, その後, 各区から5羽ずつを殺して, 血液, 胸筋, 肝臓, 胆汁のサンプルを採取した。別に, 16,000μg/gの飼料を4週間与えたヒナに, カナマイシン無添加飼料を与え, 飼料切替え後, 0, 3, 6時間および1, 2, 3, 5, 7日目に, それぞれ5羽ずつ殺してサンプルを採取した。サンプル中のカナマイシン含量は, Bacillus subtilis ATCC6633を用いる微生物学的定量法により測定した。
飼料1gあたり20μgのカナマイシンを与えたヒナの血液, 筋肉および肝臓からは, カナマイシンは検出されなかった。
カナマイシン給与中止時における, 筋肉を除く, 血液, 肝臓, 胆汁中のカナマイシン残留量は, 飼料中のカナマイシン含量に比例して増加した。カナマイシン給与中止後, 血液, 肝臓, 胆汁中の残留量は急速に減少したが, 筋肉中では増加した。
ヒナの体内の残留カナマイシンの消失経過は特異的で, これまでに検討した他の抗生物質とは異なっていた。消失経過を説明するために, 3区画モデルを適用することが論議された。