抄録
透明液の生理的意義を検討するための基礎的知見を得る目的で, 射出洗浄精子を種々の血清濃度の溶液に浮游させ37°Cで3時間加温振盪し経時的に精子の運動性, 呼吸活性およびブドウ糖の消費量を測定した。
その結果は以下の通りである。
1. 35%以上の血清濃度区の加温開始直後の運動性は4.4と著しく高い値を示した。またそれらの区は15%以下の血清濃度区に比較してより高い運動性を保持した。
2. 加温開始直後の精子の呼吸活性は血清濃度が高くなるにともなって増加し, 75%区の呼吸活性は14.7μl/1010sperm/min. であった。また血清濃度の高い区 (35%以上) の加温時間の経過にともなう呼吸活性は, それ以下の血清濃度区に比較してより速やかに減少した。
3. 1時間加温後における35~75%血清濃度区のブドウ糖消費量は血清を含まない区に比較して著しく高かった。また2時間および3時間加温後のブドウ糖消費量においては, 血清濃度35%区が他のいずれの区よりも高い値を示した。
以上の結果より成熟雄鶏血清と鶏精子の運動性および代謝との間には密接な関係があるものと考えられた。