抄録
趾灰分含量にもとずく生物定量法によって, 黄色トウモロコシや大豆粕など主要な植物性飼料原料のリンの利用率がほとんど0に近いことが明らかになったので, 総リン含量として示されている日本飼養標準のリンの要求量を再検討する必要が生じた。
合計720羽の白色レグホン種雄初生ヒナを用いる3回の実験において, 0.6~1.8%および0.21~1.29%の範囲のカルシウムと有効リンを含む飼料を3週間給与し, 増体量, 飼料摂取量, 飼料効率および趾灰分含量を測定した。データは, 重回帰分析により, ヒナの反応xを, 飼料中のカルシウム含量(x1%)と有効リン含量(x2%) の関数として説明する2元2次式(1)を求めた。
y=b0+b1x1+b2x2+b11x12+b22x22+b12x1x2…(1)
(1)式は, 標準型の回転長円式に変換し, 等反応曲線を計算した。回帰からの残差の平方根Sと, 最大反応値ySなどを求め, ys-Sに相当する等反応曲線の範囲内は最適値と見なした。
増体量と飼料摂取量の反応曲面はよく似ていた。有効リン含量の高い飼料では, 特にカルシウム含量が低い場合に, 摂取量が減少し, したがって増体量も減少した。しかし, 飼料摂取量と増体量の減少は, 飼料効率 (増体量/飼料摂取量) にはほとんど影響がなかった。
趾灰分の最大値は15.6%と計算された。ys-Sは15.1%で, 等反応曲線から, 趾灰分含量を15.1%にするには, カルシウム含量を0.95%以上, 有効リン含量を0.56%以上とする必要がある。3週齢の卵用種ヒナの趾灰含量を15.1%以上とする組合せとして, カルシウム1.4%, 有効リン0.56%が推奨される。また, 趾灰分含量が14%でよいとすれば, 増体量と飼料摂取量をほぼ最大にする組合せとして, 1.0%と0.35%, あるいは0.8%と0.5%が選択された。