抄録
実験1ではトウモロコシと大豆粕を主体とし大豆油を5.2%含む飼料について無加熱および蒸気ペレット化を行ない製造条件が雛に対するリンの利用率に及ぼす影響を,実験2ではトウモロコシと大豆粕を主体とし大豆油を0%または5.0%含む飼料について蒸気ペレット化を行ない,油脂含量の異なる飼料のペレット化が雛に対するリンの利用率に及ぼす影響を検討した。蒸気ペレットの製造条件は蒸気圧5.0kg/cm2(実験1)および3.0kg/cm2(実験2),コンディショニング温度は85°C(実験1)および90°C(実験2)であった。
その結果,種々の条件でペレット化しても飼料中のフィチン態リンおよび無機リン含量の有意な変化は認められなかった。飼養試験の結果,脛骨灰分含量および飼料効率はいずれの条件でペレット化しても有意な改善は認められなかった。
これらの結果から,現在一般に行なわれているペレット化によって雛に対するリンの利用率が改善されることはないものと思われた。