日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
腸管吸収能の表示単位について
中広 義雄一色 泰
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1984 年 21 巻 1 号 p. 38-42

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抄録
腸粘膜の単位表面積当たり吸収量をもって腸管吸収能を表わすことの妥当性を検討するために,粘膜表面積の測定条件と測定値の関係を調べるとともに,鶏種ならびに部位別における腸管の重量,長さおよび粘膜表面積の相対比について比較調査を行い,次のごとき結果を得た。
1.室温下(20±4℃)では腸を取り出し後1時間より7時間まで,冷蔵下(7±1℃)ではさらに70時間まで延長してそれぞれ経過時間と粘膜表面積の測定値との関係を調べたが,前者では2~3時間後が,後者では40~50時間後が比較的安定した状態で測定しうる時間帯であることが示された。
2.腸の重量,長さおよび粘膜表面積の各相対比は鶏種や部位によって差異がみられたが,特に部位間の差が著しかった。これは腸の管囲や厚さが鶏種や腸管部位により差があるためである。
以上の結果より,腸粘膜の単位表面積当たりの吸収量を吸収能の表示単位に用いる方が腸の大小や組織の厚薄に関係なく比較できるので,腸の重量あるいは長さ当たりの吸収量で示すよりも正確さが得られると思われる。
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