抄録
体内の可欠アミノ酸合成に用いられる窒素の供給源として尿素,クエン酸2アンモニウム(DAC)といった非蛋白態窒素化合物の利用が,鶏において報告されている。この尿素,DACと対照区としてのL-グルタミン酸を,飼料に段階的に添加し,これら窒素化合物の成長促進効果について調べた。
白色レグホーン種雄ヒナに8日齢から18日齢までの10日間,実験飼料を水とともに自由摂取させ,その間の増体量と飼料摂取量を測定した。また実験終了後ヒナを屠殺し,体組成を測定して実験期間中の窒素及びエネルギーの蓄積について調べた。実験飼料は,それぞれのアミノ酸要求量を充たした必須アミノ酸混合物のみを窒素源とする基礎飼料と,これに3.17,6.35,9.52,12.69及び15.87(gN/kg飼料)の5レベルで尿素,DAC,グルタミン酸を各々添加した飼料の全16種類の飼料を用いた。
尿素は,6.35(gN/kg飼料)までは添加レベルの上昇に伴い,体重,窒素の蓄積量は増加するが,それ以上に添加しても改善されなかった。また全ての添加レベルで,その効果はグルタミン酸と比較して有意に低い値を示した。DACは,6.35(gN/kg飼料)までは添加レベルの上昇に伴い体重,窒素の蓄積量は増加したが,それ以上に添加すると減少した。増体重では3.17(gN/kg飼料)の時に,窒素の蓄積量では3.17,6.35(gN/kg飼料)の時に,グルタミン酸と比較してほぼ同等の効果を得たが,それ以上のレベルでは有意に低かった。窒素の蓄積量の結果から最大値を与えるこれら窒素化合物のレベル(gN/kg飼料)を算出すると,尿素では6.13以上,DAC,グルタミン酸では6.27,11.3となった。