日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
環境温度の上昇に伴う産卵鶏の摂食行動の変化について
田中 智夫広沢 登志枝吉本 正三村 耕
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1984 年 21 巻 2 号 p. 82-88

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抄録
高温環境における産卵鶏の摂食行動の特徴を明らかにするため,12羽の産卵鶏にペレットを自由摂取させ,25,30,32.5および35℃の環境温度にそれぞれ1週間感作して摂食行動を調べ,特に遊びの採食の行動を考慮して検討した。
1.1日の採食量は,環境温度の上昇に伴って減少し,環境温度1℃上昇当りの減少率は1.7%であった。
2.飼料ついばみ回数とそれに要した時間は,各温度間に有意差は認められなかった。
3.ついばみ当りおよび1分当りの採食量は,環境温度の上昇に伴って漸減した。これは,25℃の環境温度において,飼料に対するついばみのうち,既に半数以上が実際の採食を伴わない遊びであり,高温になるにしたがって,さらにその割合が増加したことによるものと考えられた。
4.摂食行動の日周パターンは,各温度期ともほぼ同様の傾向を示した。
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