日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
WE系日本ウズラのクラッチパターンと放卵周期
園田 豊茨木 久美子今井 清
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 22 巻 6 号 p. 297-303

詳細
抄録

WE系ウズラの産卵特性に関する基本的な資料を得ることを目的とし,クラッチパターンと放卵時間の規則性を検討した。14 L(06:00-20:00)/10 D下で6~23週齢にわたって産卵率•放卵時間の分布•クラッチの長さと休産日の出現頻度•クラッチ内の卵の放卵時間の推移について調べた。
WE系ウズラは約6週齢で産卵を開始し,10週齢まで産卵率は急速に高まり,13週齢以降ほぼ安定した産卵状態となった。放卵は明開始後10~12時間に最も高く,明期後半7時間に79%が集中した。クラッチの出現は,加齢に伴ない1~3卵クラッチが減少し,4~5卵と10卵以上のクラッチが増加する傾向が見出された。クラッチを区切る前および後の休産日がいずれも1日である場合が60%以上の高率で出現し,しかも加齢に伴いその出現頻度は増加した。クラッチ内の卵の放卵時間の推移に基づき,クラッチを3つのタイプに分けることができた。タイプAは2~6卵クラッチに多くみられ,3~4時間の幅でC1からCtまで順次遅い時間に放卵が行なわれた。タイプBは長いクラッチで連日ほぼ同時間に放卵が続き,従って平均放卵間隔は約24時間であった。タイプCは,明暗期に関係なくほぼ24時間にわたって放卵を続ける型であった。
以上の結果に基づき,産卵生理学の諸実験にWE系ウズラを用いる長•短所を考察した。302 日本家禽学会誌22巻6号(1985)

著者関連情報
© 日本家禽学会
前の記事 次の記事
feedback
Top