日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
環境温度の周期的変化がニワトリの放卵パターンにおよぼす影響
上野 孝志
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1985 年 22 巻 6 号 p. 327-330

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抄録

8ケ月齢の白色レグホーン産卵鶏を用い,周期的変温環境が,ニワトリの放卵時刻におよぼす影響について検討した。ニワトリは24時間連続照明下で,33°Cの一定ならびに27~33°C, 21~33°Cおよび15~33°Cの変温条件に感作した。定温条件下では,放卵時刻は24時間に亘ってほぼ均一に分布したが,変温条件下では,いずれも環境温度の上昇とともに放卵頻度が高まり,また下降とともに放卵頻度も低下するという,環境温度の上昇下降にほぼ一致した分布を示した。また,温度較差が放卵分布にも影響し,温度較差の拡がりにつれて分布の「尖度」が大きくなる傾向がみられた。しかし,21~33°Cと15~33°Cでは,それぞれ12°Cと18°Cの温度較差があるにもかかわらず,放卵分布のパターンには殆んど差は認められなかった。この原因として,両温度条件の下限温度(21°C, 15°C)が,ともに熱的中性圏にあることが考えられた。放卵分布のピークは,いずれの変温条件下においても温度周期のピーク時刻(12:00)より2~3時間前に現われた。

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