日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
ウズラの放卵リズム型と自由継続リズムとの関係
小林 真岡本 悟松尾 昭雄
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1989 年 26 巻 5 号 p. 273-280

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抄録

14L:10D光周期下における個々のウズラの放卵リズムは,放卵間隔の短い光周期同調型と放卵間隔の長い光周期不同調型に分類される。本研究は,放卵リズム型と固有の自律リズムである自由継続リズム周期(FRP)の長さとの関係を明らかにする目的で行われた。実験I及び実験IIの前半期にはそれぞれ14L:10D及び恒明条件を,後半期では逆に恒明条件及び14L:10Dを与えた。実験I及び実験IIの供試羽数は,それぞれ49羽及び54羽であった。前半期及び後半期の実験期間はいずれも8週間で,光周期変更前後の放卵リズムと産卵率を比較した。また,前半期と後半期との間の個体別平均放卵間隔の相関係数を求めた。
実験I及び実験IIの放卵リズムは14L:10D光周期によく同調したが,恒明条件下では自由継続リズムを示した。14L:10D光周期の産卵率は恒明条件より高かった。実験I及び実験IIにおける前半期と後半期との間の個体別平均放卵間隔の相関係数は低く(0.211及び0.090),14L:10D光周期下で観察された個々のウズラの放卵型の違いは,それぞれのFRPの長短によるものでないと推論された。

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