抄録
25°Cで0~11週間貯臓のニワトリ殻付卵より採取した卵白について,洗卵処理と,流動パラフィン卵殻塗布処理が,卵白蛋白質の泳動像に及ぼす影響について水平式ポリアクリルアミドグラジェントゲル電気泳動法で調べた。殻付のまま3週間から11週間貯蔵した無洗卵•無塗布卵の卵白蛋白質の泳動像では,オボトランスフェリンは,はっきりした濃い泳動帯として分離されなかったが,移動度の速い巾広い泳動帯として存在した。オボアルブミンA1,オボグロブリンG3,オボグロブリンG4そしてオボグロブリンG2の泳動帯は,新鮮卵に比べて拡散し,わずかに陽極側に移動した。洗卵した後に油の塗布を行わなかった殻付卵を1週間貯蔵した時の卵白蛋白質の泳動像は,殻付のまま3週間貯蔵した無洗卵の卵白蛋白質の泳動像と似ていた。無塗布卵の卵白蛋白質の泳動像と比べて,0~11週間貯蔵中の卵殻塗布処理卵は,卵白蛋白質の泳動像の分離に明らかによい効果をもたらした。