抄録
ニワトリの卵黄と胚,雛および成鶏血漿のプレアミルブミン蛋白質の電気泳動像につき,エストロゲン依存たんぱく質に重点をおいて比較した。卵黄主要リンたんぱく質であるホスビチンの泳動帯は,プレアルブミン-1の移動度の遅い域に,ローダミンB-リンモリブデン酸塩形成法によって染色され検出された。しかし,エストロゲン依存たんぱく質のプレアミルブミン-2(Pa-2)の泳動帯は,この方法で染色されず,リンを含むことは認められなかった。またプレアミルブミン-2は,卵黄と産卵鶏,孵卵20日の胚ならびに,初生雛の血漿に見出されたが,16週齢の未成熟雄雌雛血漿や成雄鶏の血漿には見出されなかった。