抄録
鶏舎で汚染させた(自然汚染)検体,自然汚染検体に付着していた細菌を増殖させた培養菌液及び培養菌液で汚染させた(人工汚染)検体を用いて消毒剤の効果を比較した。
培養菌液中の細菌に対する効果は高く,著しく低濃度でなければ培養菌液と消毒液を混合後15分以内に菌は死滅した。自然汚染検体に対する効果は人工汚染検体に対する効果よりも劣り,浸漬24時間後にも菌が生き残り,浸漬前の菌数と比較した減少率は10-2.5-10-3.4であった。
消毒液を霧状にして散布すると浸漬した場合に比べ効果は更に低下し,散布24時間後の自然汚染検体における菌数減少率は散布前の菌数の10-0.7-10-1.2であった。
これらの事実から,培養菌液を対象として行う消毒剤の効力評価を再検討する必要のあることを指摘した。