日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
ブロイラーの生産性におよぼすセレンの影響
大石 武士
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キーワード: セレン, ブロイラー, 生産性
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1991 年 28 巻 2 号 p. 117-124

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抄録
Seは,免疫抗体,酵素反応,抗癌性等の生体内の幅広い反応に関与することが示唆されている。このことはSeが持つ各方面の機能を通して,家畜の生産性に影響することが推測される。そこで本研究はブロイラーの生産性にSeがどのような影響をおよぼすかを検討した。
実験IではSe濃度が0.07mg/kgの半精製飼料とそれにSe濃度が1.0mg/kgになるように亜セレン酸ナトリウムを添加した飼料を5週間給与し,発育,血清のSe濃度,GSH-Px,GOT活性および心臓,肝臓中のGSH-Px活性を測定した。
実験IIでは市販のブロイラー育成用飼料とそれにSe濃度が0.9mg/kgとなるように亜セレン酸ナトリウムを添加した飼料を9週間与え,飼料摂取量,体重,増体量,飼料要求率を計測した。実験終了時に屠体重,もも肉,ささみ重量とそのSe濃度および心臓,肝臓,腎臓Se濃度を測定した。
結果は次の通りであった。
実験IでSe添加飼料を給与した雛の成長は,2週齢頃から基礎飼料を与えた雛の成長を上回り,3週齢以降では有意な差となった。血清Se濃度はSe添加飼料給与で有意に高く,血清GOT活性はSe添加飼料で低くなり,5週齢で有意な差となった。Se添加飼料で血清GSH-Px活性は高くなり,5週齢では有意な差となった。実験IIにおける雛の成長は5週齢頃まではSe添加配合飼料で優れている傾向を示したが,実験終了時には差は認められなくなった。もも肉およびささみ重量はSe添加配合飼料で増加する傾向を示し,肝臓および腎臓のSe濃度はSe添加配合飼料で有意に高くなった。
これらの結果から,ブロイラーの生産性を充分に発揮させるために給与すべき飼料中のSe濃度は,現行のわが国の飼養標準が示すSe濃度では不足する可能性が推測され,飼料へのSe添加の許可を含め,再検討される時期にあると推測された。
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