抄録
特定の栄養素による行動の制御の可能性を検討するため,飼料のCa水準の相違が,産卵鶏の行動におよぼす影響について検討した。270日齢の産卵鶏5羽に,Ca水準2.7%の市販の産卵鶏用飼料に炭酸カルシウムを添加して4.1および4.8%とした飼料を順次,21日間ずつ給与した。それぞれの飼料給与期間中,摂食日量,摂食時間および飼料ついばみ回数をパーソナルコンピューターに接続した自作の計測装置を用いて測定した。同時期にVTRによる行動の記録および血清成分の測定も行った。
飼料のCa水準を高めると,産卵鶏の摂食時間,飼料ついばみ回数は増加する傾向を示し,摂食日量は有意に増加した。
血清中の総Ca濃度およびアルカリホスファターゼ活性も変化した。飼料のCa水準の上昇に伴って,摂食行動は増加し,騒ぎ行動が減少した。
これらの結果から,産卵鶏に対する高Caの給与は,摂食回数を増加させ,騒ぎ行動の発生にも影響することが推測され,ある種の栄養素の量的な変化が鶏の行動にも影響することが推測された。