日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
数鶏種の産卵性能ならびに各種経済形質の遺伝率とそれら形質間の相関関係について
I. 各種経済能力ならびに産卵数を中心とした遺伝率と諸形質間の相関
佐伯 祐弌関寺 章八大川 勇三郎秋田 富士
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1966 年 3 巻 2 号 p. 76-82

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抄録

改良の過程にある, 白色レグホーン (DおよびEの2系を含む, WL-D, WL-E), 横班プリマスロック(BPR), ニユーハンプシャー (NH) およびロードアイランドレッド (RIR) の4種を用いて3年間のデータから各種経済形質を統計的に分析した。産卵能力は初産開始後満1カ年間トラップネストを用いて調査し, 卵重は毎日個体別に秤量した。各形質の遺伝率ならびに形質相互間の相関々係を推定した。
1. 初産日齢は鶏種によって差があり, BPRはWLDよりも約30日早く初産を開始した。一般に初年度の平均卵重は小さく, 51.3~56.8gの範囲で, RIRは最も大きく, WLは小卵であった。生存鶏365日間の産卵数はすべての鶏種とも多い方で, とくにBPR (279.7個), RIR (276.4個) はすぐれ, 最少のNHでさえ237.3個であった。
2. 初産日齢, 初産時体重および平均卵重の遺伝率(h2) はかなり高く, 大体0.3以上の値を示した。また初産から平均卵重に達するまでの期間については, NH(0.17) を除くと0.40~0.65の高いh2を示した。産卵数および総生産卵重についてのh2は一般に低い値であった。
3. 年間産卵数に対する初産体重, 初産日齢および年平均卵重の関係は, 表型相関, 遺伝相関ともにやや高い負相関を示した。
4. 初産日齢と, 初産から年平均卵重に達するまでの日数との間には-0.5以上の高い相関値が認められた。また初産日齢と初産時体重ならびに年平均卵重との間にはかなり高い正相関がみられた。

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