日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
卵用種の雛の栄養素要求量に関する研究
VIII. 中雛のカルシウムおよびリンの要求量
土黒 定信森本 宏
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1966 年 3 巻 2 号 p. 69-75

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抄録

白色レグホーン種の中雛のカルシウムおよびリンの要求量を知るために, 2つの実験を行なった。実験にはトウモロコシと大豆粕を主とし, 3%の良質の魚粉を含む基礎飼料を用いた。この基礎飼料のカルシウム含量は約0.2%, リン含量は0.48%であった。実験1においてはリン含量がそれぞれ0.48, 0.60および0.72%で, カルシウム含量がそれぞれ0.5, 0.75, 1.0および1.25%の12種類の飼料を4~8週齢の4週間給与した。また実験2においてはリン含量が0.48%と0.6%でカルシウム含量がそれぞれ0.5, 0.75, 1.0および1.25%の8種類の飼料を4~10週齢の雄雛および雌雛に給与した。飼料のリンの調整にはリン酸2カルシウムを用い, カルシウムの調整には炭酸カルシウムを用いた。カルシウムおよびリンの要求量は雛の成長, 飼料効率および脛骨の灰分含量により判定した。
1) 中雛におけるカルシウムおよびリンの要求量はかなり広い巾が認められ, リン含量が0.48%の場合には, カルシウムの要求量は0.5%でもよいことがわかった。しかし, リン含量が0.48%の場合に, カルシウム含量が1%以上になると, 成長の著しく低下することが認められた。
2) リン含量が0.6%または0.72%においてはカルシウム含量を1.0%以上に高めても成長および飼料効率に悪影響がなかった。
3) 雄雛は雌雛に比して, カルシウムおよびリンの要求量が高いような結果が得られ, これまでの報告と一致した。
以上の成績より, 著者らは中雛のカルシウムおよびリンの要求量として, それぞれ0.75%と0.6%を推奨する。

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