抄録
ニホンウズラの成長及び卵生産におけるリノール酸要求量を決定するために2つの実験を行った。両実験とも,初生ニホンウズラの雌にリノール酸完全欠乏飼料を1週齢まで給与した。実験1ではウズラを4群に分け,様々なレベルのリノール酸(0, 0.5, 1および1.5%)を含む飼料を3週間給与し,1週間毎の体重,実験終了時の肝臓重量および肝臓脂肪酸組成を測定した。実験2ではウズラを5群に分け様々なレベル(0, 0.25, 0.5, 1および1.5%)のリノール酸を含む飼料を10週齢まで給与した。実験の最終2週間における卵重量に関するデータを要求量の決定に用いた。それぞれのデータをリノール酸レベルに対し非直線回帰し,得られた漸近線の90%にあたる数値をリノール酸要求量とした。
本実験より,ニホンウズラのリノール酸要求量は成長期において飼料中の約1.1%,卵生産期においては飼料中の約0.70%と推測された。